食に関わる人の想いを一皿に。料理人の枠を越えるエンターテイナー【川嶋亨さん】

【師匠からのお言葉やこれまでの学びをまとめたノートを手に、話して下さった川嶋さん】

☑ 今後、七尾をどうしていきたいとお考えですか?

七尾にはまちを動かす素晴らしい人や仲間たちがたくさんいます。地域一体としての収益があがるような仕組み作り、地域が活気づくような仕掛けのお手伝いをやっていきたい。食でたくさんの人に笑顔になってほしいですね。また、能登にUターンしてきてからは、”七尾を小さな世界都市にする”というのは自分の一つの夢になっています。世界都市って”食”という分野だけで目指せるものではなくて、色んなものがあって世界都市になれると思う。能登って食もあれば、文化、歴史、祭り、いろんな風土もあって、たくさんの魅力がここにあります。世界都市になれる条件は揃っているんですよ。

-色んな資源や魅力が能登にはあるからこそ、世界都市を目指せるのですね。

最初僕は、七尾や能登を”美食のまち”にしたいと思っていました。それも今は変わらないけど、ちっちゃいところだけを見るのではなくて、いまは七尾を世界都市にして、その中で”美食の町”であればいいと思うんですよね。だから自分は、食のエキスパートであればいい。世界都市の中の美食のまちを僕は作りに行く。

☑ 先日はてみるフェスのカレーイベントを開催されていて、大盛況でした!
さまざまな新しいことをどうして仕掛けようと思うのですか。挑戦の原動力について教えてください!

原動力は、皆さんの笑顔が見たいから。新しいことは自分自身のチャレンジでもあるし、やってて楽しいですよ。だけど、稼ぐんだったら違うやり方ありますし、正直しんどい部分も少しはあります。これも最初の原点に返りますが、やっぱり人を喜ばすことが好きなんですよ、これが自分の一番の原動力になってるんですよね。あのイベントの空間で、たくさんの人が自分の料理を楽しんでくれて「おいしい!」とか「なんじゃこりゃ!」と言ってくれて、笑顔が見れてよかったですね。

【日本料理の川嶋シェフがカレーメニューに挑戦!(てみるフェス)
 お客さんに心をこめてカレーをふるまう川嶋さんの笑顔と汗が光っていました!】
【能登豚がゴロゴロと入った贅沢な欧風カレー、とても美味しかったです♪】

※てみるフェス
能登半島・七尾で行われる大文化祭!地域を元気にするために、やってみる企画を一堂に集めたフェス。会期中に、まちの様々な場所で楽しいイベントを開催。居場所を作ってみる、移住者で交流してみる、年代別で集まってみる、ライターの勉強をしてみる、イベントの作り方をしてみるなど、みんなの「やってみる」を応援する企画。

-”人に笑顔になってもらうこと”が川嶋さんにとって、原動力になっているのですね。

それがやっぱり自分の源になってますよ、だから料理人は僕にとってすごくいい仕事なんです。その代わり簡単なことじゃないですけどね。やっぱり人の気持ちを分からない人は美味しいものも作れないと思いますし、生産者がどういう気持ちで作っているのかも分かった上で作るのとでは覚悟も違いますし。「人の気持ちを分かるような人間になりなさい」って父親が言ってたことは、今になって身を持って感じますね。

☑ 川嶋さんの今後の夢についてお聞かせください!

僕の料理人としての夢は、僕が料理人を引退するときに、このまちがたくさんの料理人とお客さんでにぎわっていることです。能登は、料理人にとってメッカになりうる地だと思うんですよ。食材に恵まれているし、山・海も近いし、人もあったかいですし、文化も残っていて、すべてが揃っています。だから調理師の学校ができてもいいだろうし、お店もいっぱいあってほしい。自分が引退するときにそういうまちであってほしいですね。

-どんな人たちに七尾に来てほしいですか。

いや、もう全国から集まって欲しいです。ここで修行するんだって人がおって欲しいし、この地で店をするんだっていう人が生まれてきたらいいなって思います。そのために、いま仕組みをつくっている最中ですね。この地で若いシェフたちや学生が学べる環境というものを整えていきたいです。

今から色んな人と関係を作っておくことで、若い20代の人たちが10年後、20年後、30年後にいざ独立するぞ!ってなった時にこの地を選んでほしいんですよ。だから”交流人口”じゃなくて”関係人口”を増やしたいですね。

-なるほど!長い目で見た壮大な構想ですね!

だからこれってね、5年後10年後にすぐ結果が出る夢じゃないんですよ、ほんとに。今から積み上げていくことで後に花が咲く夢だと思ってるんで。

-覚悟ですね、覚悟がないとできないですね。

だから、新たに店をオープンするのも一本杉通り商店街を選んでいます。一本杉っていうのは、昔、北前船で栄えた歴史文化の詰まっている通り。だから僕はここの歴史と文化のルーツを紐解いたことをしたいと思ってます。


★川嶋さんの新店舗オープンのお知らせ★

店舗は2020年1月にオープン予定。 メインダイニングはカウンター(テーブル席もあり)。お客様の顔や表情を見ながら、生産者の想いや背景を伝え、会話を楽しんでいただくためにカウンターにしている。

☑新店舗ならではの魅力

「有形文化財で食べる日本料理店」

有形文化財に指定された建物で、日常を忘れられる特別な空間を楽しみながら、こだわり抜いた料理を味わうことができる。

”こだわりの料理+”楽しさ・エンターテイメント性”を掛け合わせた満足度の高いサービス

「”美味しい”だけではなく、お客さんに楽しんでもらって、より喜んでもらいたい。」との川嶋シェフの想いから、エンターテイメント性も追求。生産者の背景を川嶋シェフが語りながら、目の前で食材を調理。食材の良さや生産者の想いも噛みしめながら味わうことで、贅沢な食事の時間を過ごすことができる。