縁が繋がるまち、高階にニュースを!人の夢にあいのりして応援したい。【任田和真さん】

数ある選択肢の中で「地域おこし協力隊」を選んだ理由

☑七尾に移住してお仕事を選択する上で、どうして「地域おこし協力隊」を選ばれたのでしょうか?

もともと自分が住むと決めた地区で、地域おこし協力隊の募集の枠はなかったのですが、良いタイミングで地域おこし協力隊の募集がかかったので、手を上げました。とても運が良かったと思います(笑)。

-他の仕事は考えていなかったんですか?

何個かありました、サッカーのコーチとかね。でも、地域おこし協力隊の方が、自分の力を活かせるのではないかと思いました。地域のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒にまちおこしをするということに、僕はすごく魅力を感じました。ピースボートの中で、色んな世代や価値観の人たちとコミュニケーションをとる機会は多かったので、その経験を活かせるんじゃないかと。

-自分の住みたいところで、自分のやってきたことや、やりたいことが活かせるお仕事が、できるなんて素敵ですね。

☑任田さんの地域おこし協力隊の活動を教えてください!

【冬季の高階地区の上空からの写真】

七尾市高階地区の地域おこし協力隊は、”移住定住の促進”と”コミュニティの醸成”という2つのミッションがありましたが、具体的な業務は決められていませんでした。最初は何をしたらいいのかと戸惑ったこともありましたが、”自由”という環境が、かえって自分に合っていたのかなと思います。

-フリースタイルだったのですね。

はい、フリースタイルです(笑)。まず最初にやったことは、顔と名前を覚えてもらわないとと思って、地域行事に全部出る、あいさつ回りを全軒に行く、他の町会長のところに挨拶に行くことをやりました。とにかく知ってもらうために、小さいことでもSNS等を活用して発信していました。昨年度はおかげさまで、新聞に31回掲載していただきました!

-凄い数ですね!地域のニュースメーカーですね。

本当におかげさまですね。具体的な活動は、高階地区内の「移住体験住宅の管理・運営」。高階地区の協議会が一軒家を借りていて、移住希望者が七尾市への移住を検討する際の拠点として宿泊できるように整えたけど、管理人がいなくて、運用のルールが決まっていないという状況でした。なので、まずはそこの運用を任せていただきましたね。

-実際にその移住体験住宅をどのように活用されたのですか?

その古民家を「なんかいいがん(良い感じに)ならんかな~」と思って、株式会社御祓川の圓山さんに相談して、金沢工業大学の「Toiroプロジェクト」という建築学部建築学科の学生を主軸とした団体を紹介してもらって、移住体験住宅をリノベーションするプロジェクトを立ち上げました。

【移住体験住宅の改修作業の様子】

あと、高階地区には廃校になった小学校(高階小学校)があって、小学校がなくなると、地域に子供の姿がなくなっちゃって、「寂しい」という声がたくさん聞こえてきたんです。それで、移住者の交流会イジュトーークの飲み会の時、「廃校を使って何かやりませんか?」と話を投げたら「廃校で”逃走中”やらない?」っていう話になって。そこで盛り上がって、当時のインターン生と一緒に逃走中のイベント、「廃校中」を企画、実施しました。

-逃走中を廃校でやるなんて聞いたことないです。楽しそうですね!

面白かったです!主に移住者仲間で「廃校中」を企画、実行委員で準備して、実施してみてすごい反響でしたね。

-写真見ました!100人くらいの規模でしたよね?

そうそう、かなり話題になっちゃって。小学校の高学年だけで、80人ぐらい集まったかな。廃校になったときの全校生徒が60人ぐらいしかいなかった学校なのに、全員集合状態でしたね(笑)。それだけで留まらずに県外からも問い合わせを頂いて、総勢100人ぐらい集まりました。

【「廃校中」のイベント時のお写真】

これも一つの大きなニュースになったので、”高階”という地域を知るきっかけをつくれたかなと思います。あとは、「集落の教科書」作りを頑張りました!

※集落の教科書
たかしな地区活性化協議会が、更なる移住・定住促進のため、作製した移住者向けの情報誌。その地域の暮らしにまつわるルールやしきたり、風習などを明文化し、その地域で暮らしたいと考える移住希望の方に向けて作られた。

-集落の慣習や決まり事が細かく書いてあって、集落への移住を検討している方やこれから移住される方にとって、有難い情報だと思います。

集落の教科書を作成するのは本当に大変でしたね。移住コンシェルジュの太田さんから、「京都ではこういうの作ってるよ」って連絡がきて、高階でやりたいなと思って手を挙げました。実際に京都へ視察に行って、現地で勉強してノウハウを学び、能登留学のインターン生を募集して一緒に作っていきました。

-どのくらい製作にお時間かかりましたか?

昨年の5月に作り始めて、2019年3月末に発行できたので約1年ですね。

-地域の方たちにヒアリングをして情報収集されたのですか?

移住する前に知っておきたい情報って、ネットに載っていない。草刈の実施や挨拶回りの手順、町会費とかね。これは人に聞いていくしか方法がないと思ったので、各9町の町会長さんにヒアリングに行って、足で情報取集しに行きましたね。

-地道な作業、、すごいですね。

町会長用のヒアリングシートが一つで75問ぐらいあるのですが、1時間のつもりが、結局3時間半かかったりして、「すいません!」って言いながらひたすら集めましたね(笑)。学生が帰ってからも、聞いてきた情報をまとめて、構成会議をして、内容の確認をしながらデザインに落とし込んで作りました。

【能登留学生と一緒にヒアリング調査をしている様子】

-そんなご苦労があったのですね。集落の教科書のお陰で、高階に住んでる人しか分からない情報が見える化されたと思います!